3月17日(日)、彦根城博物館友の会恒例行事のお城散策です。案内はもちろん、城郭研究の第一人者中井均さん。今年の散策地は安土山の近くの観音寺城趾です。午前10時に安土城考古博物館に集合。今にも雨が降りそうな空、天気を心配しながらのスタートです。観音寺城跡までは桑実寺境内を通り段差のきつい石段と険しい道を30分くらい登りました。観音寺城は戦国時代、近江守護佐々木氏の居城。足利義晴が一時期仮幕府を置いた桑実寺を経由して本丸、平田丸、池田丸へ。途中山中での生活に欠かせない井戸跡、また石材の取り出し現場などを見学。全山そこかしこに石垣で取り巻かれた区画があり、家臣も山中に居住し、西国三十三観音霊場の一つ観音正寺とも共存するなど、全国的に見てもユニークな山城との説明に納得です。そこには矢穴技法で割られた石材が使われており、この矢穴のある石垣は観音寺城より後に築かれた織田信長の安土城には見つからない。矢穴技法とあわせ、大きな石(湖東流紋岩)を積み上げた工人の熟練の技に感服。戦国武将たちも駆け抜けただろう険しい山道を、中井先生の熱のこもるお話を聴きながら無事踏破。帰り少々春の雨に見舞われましたがいにしえを忍ぶ楽しい一日でした。
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